豊かな国日本の主役は誰?

おはようございます。渋澤健です。

土曜日に札幌で北海道金融広報委員会・日本FP協会道央支部の共催講演に登壇してから、松江に移動して日曜日に島根県金融広報委員会の講演に登壇しました。移動がちょっと大変な週末でしたが、羽田空港での乗り継ぎのご褒美に、富士山の壮麗な姿を楽しむことができました。

やはり、日本は豊かな国ですよね。交通インフラがきちんと行き届いて整備されながらも、美しい自然もある。日本は資源国ではないと言われますが、資源がない国が豊かになれる訳ないと思います。

また、資源とは人間が搾取して利用するものではなく、利用させていただくという謙虚な気持ちが大切ではないでしょうか。日本人の「いただきます」文化です。

特に、そう思うのは日本の最大な資源とは「人」だからです。資本主義の父と云われた渋沢栄一が唱えていたのは、実は資本主義ではなく、一滴一滴の滴が大河になるという「合本主義」でした。この滴とは財務的な「お金」という滴だけではなく、非財務的な「人」という滴のことでもあります。そういう意味で、新しい資本主義が掲げている「人的資本の向上」「人への投資」は筋が通っていると思います。

一方で、日本の賃金が特に他の国々と比べると長年横ばいになっています。その理由は経済成長が無いということが通説ですが、そもそも成長がないのは、日本は「いただきます」精神を忘れて、人材を搾取してきたからではないでしょうか。

だから、労働者を保護する基準法が設けられ、結果として勤労価値とは会社内部で定められようになり、労働市場の新陳代謝が損なわれ、賃金上昇およびイノベーションを抑制したと言えるでしょう。言い換えると、労働市場の新陳代謝(未来への希望)がないから、金融市場の新陳代謝が損なわれ、1000兆円も日本人の金融資産が現預金と留まる傾向を引き起こしているのです。

今回の札幌と松江のセミナーのテーマは「お金」でした。自身の財務的資本を増やすためだけに、節約だけで自分の事しか考えないようでは、本当に「豊かな」状態とはいえません。

やはり一人ひとりの想いを、行いを通じて様々な自己実現が可能な社会。

MeだけではなくWeの意識が広まっている社会。

見えない未来を信じられる社会。

このような社会が「豊か」だと思います。日本をより豊かな国にできる主役は、我々一人ひとりです。

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