投信での資産づくりをメインにしつつ、株式投資のこともちゃんと理解したい人向けコラム

「トレーダーふっちー流の投資指標の見方」


コロナ禍の株式市場も早一年が過ぎました。
新型コロナの感染拡大で、日経平均が安値をとったのが昨年の
3月。そして30年ぶりの高値をとったのが今年の2月。その後、足下の4月までは高値圏でのもみあい
日経平均
TOPIXの指数だけをみると、おおよそこの1年間、一本調子で右肩上がりの動きをしているようにみえますが、もう少し中身をみてみると、違った動きもみえてきます。 

一つの転機は新型コロナのワクチン開発でした。
昨年の
11月に米ファイザー社と米モデルナ社がそろって新型コロナウイルスの発症を予防するワクチンを開発。
その後、米国をはじめ、世界各国でワクチン接種が始ま
ると、経済活動が新型コロナの感染拡大前に戻るという期待から、株式市場の物色対象も大きく変わりました。 

そしてもう一つは米国長期金利の動き
ワクチン
開発される前は、経済活動の低迷と、そしてそういった環境下、金融当局の金融緩和政策から米10年債の金利は1%を割り込む超低金利水準が続きました。
それがワクチンの開発を機に、将来の経済活動の正常化を見越して徐々に長期金利が上昇し、今年に入ってから1%を超え、さらに3月には1.5%を超えました。この米長期金利の上昇で株式指標の見方が変わることで、株式市場の物色対象も変わったいえそうです。 

そんなかな、株式市場では、バリュー株がどうだ、グロース株がどうだ、バリュー・グロース(の関係)がどうなっただ、一般の投資家には分かりづらい株式用語でマーケットを解説するコメント多くみられるようになりました。 

さて、前置きが長くなりましたが、今回の「トレーダーふっちー流の投資指標の見方」は、
バリュー株ってなに?、グロース株ってなに?、それって、実際の株式市場ではどんな動きになってるの? そんなことを投資指標の見方をつかってこれまでの株式市場の動きを見ていきたいと思います。 

まず、教科書的に説明します。
株式投資において主にPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの株式指標を用いて、バリュー株投資、グロース株投資と、個々の株式を、株式指標から大別してバリュー株とグロース株に分けて投資対象とすることがあります。
PERPBRについては、以前のブログ
「トレーダーふっちー流の投資指標の見方」日経平均株価のPER22.7倍。えっ?22倍って高いんじゃないの?」や、「PBRは、なぜ1倍が基準になるの?」を参考にされてください。 

話を前に進めます。 

バリュー株は割安株とも呼ばれます。
売上げ
の伸び率や利益の成長率が低く、利益や純資産などで評価した企業価値と比べると株価が割安に放置されている銘柄のこといます。相対的にPERが低く、PBR1倍前後で、なかには企業の解散価値より株価が安を下回っている銘柄多くあります。 

グロース株は成長株とも呼ばれます。
売上の伸び率や利益の成長率が高く、今後も高い成長が見込まれる銘柄のことをいいます。相対的にPERが高くPBR数倍と高く、新興企業にいたっては十数倍、数十倍という銘柄もあります。 

では、実際にバリュー株、もしくはグロース株に投資をする際、それぞれにどんなメリットとデメリットがあるのでしょう。 

バリュー株のメリットは、株式市場全体が下がるときでも、グロース株と比較して株価の下落率が比較的に小さいことです。PERもPBRも低く、もともと割安に放置されているため、下値抵抗も強いと考えられるからです。
また、
割安な水準にあることで、売上げの伸び率や利益の成長率が低いとしても、中長期的にはゆっくりとした株価の上昇が期待できることもメリットといえます。 

一方で、グロース株のメリットは、株式市場全体が上がるときに、それ以上に株価上昇期待できることです。
株式はもともとが利益成長に期待して株価が
上下する性格をもっていますから、その期待が大きければ大きいほど、短期間に株価が2倍、3倍にもなることがあります。 

では、デメリットはなんでしょう。 

バリュー株のデメリットは、売上げの伸び率や利益の成長率がグロース株に比べて低いわけですから、すぐに株価が2倍にも3倍になることはありません
中長期の投資が前提ですから、資金が
長い間、寝てしまうことだってあります。注意しなければならないのは、株価が下がってPERもさらに低くなったため、割安だと投資してみたら、実は利益が伸びないどころか減益になってしまったことで株価がさらに下がってしまうという、いわゆるバリュートラップにはまってしまうことあります。 

グロース株のデメリットは、株価が割高に買われている場合も多いことから、ちょっとした売上の減少や財務状況の悪化を理由に株価が急激に下落することがあることです。
その企業の売上げの伸び率や利益の成長率が市場の期待に届かなければ、本来の企業価値に収れんするまで株価が下落すること考えられます。株価が短期間で上がったり下がったりすることで、株価の動きに一喜一憂することもデメリットといえます。 

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