新しい運用体制に関するお知らせ

2022年3月1日付で、運用部原嶋亮介が、シニアアナリスト兼ESGリーダーに就任いたしました。
併せて、2022年3月31日付で、取締役会長兼ESG最高責任者の渋澤健が、ESG最高責任者と、投資委員会メンバーから退くことになりました。
なお、渋澤は引き続きコモンズ投信取締役会長として職務に当たります。

以下、渋澤、原嶋からお仲間の皆さまに向けたメッセージです。


こんにちは。渋澤健です。

15年ぐらい前にコモンズ投信を設立したときに、私たちは日本で最初の独立系投資信託会社ではなく、最初の長期投資ファンドでもなく、最初につみたて投資を推奨していた訳でもありませんでした(当時は、かなり少なかったですが)。

ただ、2009年に設定したコモンズ30ファンドには「最初」がいくつかあったと自負しています。

①投資判断には企業の財務的な「見える価値」の分析だけではなく、非財務的な「見えない価値」も重視したこと。

②その「見えない価値」の可視化のために、企業との「対話」を投資プロセスの一環として組み入れたこと。

③「世代を超える投資」を目指すために、お子さま向けの口座開設(こどもトラスト)を積極的に推進したこと。

④「社会起業家」を応援しながら協働すること。

そして、

⑤投資の最終決定を一人のファンドマネージャーに依存させることなく、「投資委員会」での合議によって行うことにしたこと。
(投資委員会についてはこちら)

なぜ、「投資委員会」を設けたのでしょうか。それは、「世代を超える」ほどの長期投資は、一人のファンドマネジャーが仕事に就いている期間より長いと考えたからです。

2009年の設立当時のファンドマネジャーの吉野永之助さんは当時、70代の大ベテランでした。
「30年はお願いします」と吉野さんに冗談で言いましたが、ファンドマネジャーが交代したとしても、それまでの投資経験、実績が投資委員会として維持できることが大事であると考えました。

つまり、投資する企業と同様に、コモンズ投信の投資プロセスも時代の変化に適応することが重要であるということです。ずっと同じことを続ける「現状維持」が、「持続可能」な価値創造につながるとは限りません。持続可能な体制にしていくのに必要なことは、身体と同様に新陳代謝を高めることです。

ただ、どうでしょう。特に直近の30年を振り返ってみると日本企業や日本社会は新陳代謝を高めることが得意とは言えないのではないでしょうか。

冒頭、15年ぐらい前にコモンズ投信にはいくつかの「最初」があった、と書きました。
ただ、現在、これらはコモンズ「だけがやっている」訳ではありません。
当時、エッジに立っていたとしても、時代の流れで、気がつくと真ん中にいることもあり得るのです。

コモンズ投信の創業者として、私が希望していることは、常に時代のフロンティアのエッジに立っていること。
今まで築いてきたことは、もちろんとても大事です。ただ、現状に満足した時から衰退が始まります(これは、私オリジナルではなく、高祖父の渋沢栄一が残した言葉です)。

この数年間、いかにコモンズ投信の新陳代謝を高めることができるのかと色々と考えていました。
おかげさまで、最近では新しいメンバーの入社に恵まれ、今までなかったような賑わいがあります。
新しいメンバーの関与により、新しい化学反応が生じて、新しい時代のコモンズの兆しを感じています。

そこで、私が決断したことがあります。
3月末において、私はコモンズ投信の「投資委員会」のメンバーとESG最高責任者から退き、投資の意思決定からは離れます。
コモンズ投信の経営陣も了承してくれました。

複合的な理由がありますが、要は伊井・渋澤の二人の創業者が長い年月をかけて投資委員会に席があることのメリットがある一方、新しい息を吹き込むメリットもある、と考えたからです。

今までの既定路線だけではなく、新たな視点を加えながら運用することが、長期投資の運用パフォーマンスにつながると思います。

投資委員会における私の役割は、日々の運用とは違った視点から俯瞰して、様々な観点を提供することだった、と思っています。色々な分野を渡り歩いている最中で見たこと、聞いたことを投資委員会にインプットすることです。

何年か前に、社内のRさんから「渋澤さんは宇宙人だから」と言われたことあります。ホントにそう。初対面の方に「渋澤さんのお仕事って何ですか」という単純な問いに一言で答えられないことが自分の悩みです。

ただ、色々なところにフラフラしていると、「利益相反」があるのではないかという留意点を疑う人たちもいます。秘密保持契約は必ず交わしていて、そもそもインサイダー的な情報を共有しない倫理的な指針をもって自分は日々行動している、と断言します。でも、疑う余地を無くすために線をはっきりと引くことにメリットがあることも確かです。

「新しい資本主義」の実現により日本はどのように変わるべきか?

現在の時代の潮流で日本が世界に何を打ち出すべきか?

私の、このような「フラフラ」がコモンズ投信の長期投資に最も役に立つ立場とは何か?

それは、投資委員会のメンバー(投資の意思決定者)ではない立場になって、外部で得た知見や経験を提供すること、そしてそれがコモンズのお仲間である受益者に最もお役に立てると考え、今回の決断となりました。

「宇宙人」であっても、実際に宇宙へと旅立つわけではないので、ご心配なく。

投資委員会メンバーからは外れますが、新しい資本主義の流れ、サステナビリティ投資の視点など、私が幅広く活動することで得る知見は、引き続き、コモンズ投信の企業文化や投資哲学に反映されていくことでしょう。

コモンズ投信の創業者でありメンバーとして、未来を信じる力で次の時代を共に拓くことに努めることにも全く変わりません。
これからのコモンズ投信は、明らかに新たなステージに入ります。

どうぞお楽しみにしてください!

取締役会長
渋澤 健


運用部でアナリストをしております原嶋です。
このたび、これまでのアナリストというポジションに加えて、「E
SGリーダー」という役割を担うこととなりましたので、簡単にご挨拶をさせていただければと思います。 

いま、投資運用の世界ではESGやサステナビリティというものに対する見方が大きく変わりつつあります。
そう遠くない昔までは、「E
SGなんてファンドのパフォーマンスには全く関係ない」という声が太宗だったという印象ですが、今では資金の出し手である機関投資家(アセットオーナー)はこぞって運用会社に対してESGの視点を組み入れた銘柄選定・運用を求めているような状況です。 

では、それだけ大きなお金がESG投資に流れたら世界はさぞ良い方向に変わっているはずですが、果たしていかがでしょうか。
本質的なところではあまり変わっていないのではないかという気がしています。

例えば石炭関連の事業は、温室効果ガス排出の観点でESG投資ではダイベスメント(投資引き上げ)されてしまうので、その事業は別会社に切り出し、出資比率を下げることで決算の連結対象から外す、といったような動きを見せる企業もあります。
しかし連結対象から外れたところでその事業自体は何ら変わりなく継続していて、ということは温室効果ガスも変わりなく排出しているにも関わらず、その事業を切り出した企業は温室効果ガス排出量が減ることによってE
SG上の評価(レーティング)が上がり、ESGファンドに組み入れられる・・・ということが起こるのです。
これでは何のためのE
SGなのかわかりませんし、そういった「ありふれた」ESG投資にわたしたちコモンズ投信が取り組みたいわけでは全くありません。 

今はまだ詳細をお伝えすることはできないのですが、実は最近、コモンズとして、従来とは全く異なるアプローチでの企業との対話を、ある意味では実験的に開始しています。

対話した企業側からも驚かれるような内容のものですが、私はこうした取り組みが渋澤の言うところの新しい「最初」になるのではないかと考えていますし、これを新たな「コモンズらしさ」にまで昇華させられるよう全力で取り組んでいきたいと思いますので、今後も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

シニアアナリスト/ESGリーダー
原嶋 亮介

 

 

 

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