「ふっちーが語る卯年相場と卯年のあれこれ~卯(うさぎ)跳ねる」<3>

2020年3月に、世界的な新型コロナの感染拡大から「コロナショック」が起きました。世界経済の先行きを危惧した各中央銀行は、金利をゼロにし、大量の資金を市場に供給して大規模な金融緩和で経済を立て直そうとしました。やがて、新型コロナの感染拡大も収束をみせ、世界経済は正常経済に戻りましたが、一方で、世界的な供給制約から急激なインフレが起こり、各中央銀行はそのインフレを抑えようと急速な利上げを行い金融の引き締めを行っています。2022年の寅年は、まさにその金融引き締め策から相場が下がったのだろうと考えています。

来年の卯年は、やがてそのインフレが収まり、これまでの金融引き締めも一段落し、一方で今始まっている景気後退を食い止めるためにも、今度は各中央銀行が金融緩和に転じる。そんな相場のシナリオもささやかれています。

もし、そうなれば、世界中に供給されたままになっている大量の資金が行き場を失ってまた株式市場に戻ってくる。「コロナバブル」の再延長が起きてもおかしくなさそうです。とりわけ超円安で放置された日本の株式や不動産などの円資産は海外投資家からも割安で狙い撃ちされやすいかもしれません。

ただし今話をしたのは、インフレが落ち着いた状態で、各中央銀行が市場に供給した資金を回収せずに、市場に放置したままという前提です。仮にインフレが収まらず、利上げと同時にこれまでに市場に供給をした資金までも回収するとなれば、さらに金融引き締めは厳しくなるわけですし、株価もさらに下がることも考えられます。

そうなれば、1963 年(昭和 38 年)や2011 年(平成 23 年)のような下落相場になることも考えておかなければなりません。

ふっちーの勝手な想像はこのあたりでおわりにするとして、相場格言の話にまた戻ります。

相場格言は必ずしも当たるものではありませんが、けれども、確固たる理由もないのに、なぜか当たるときもある。だから投資家はそれを信じてしまう。だから相場格言なのでしょうが、来年の相場を迎えるにあたって、「卯(うさぎ)跳ねる」は頭の片隅に置いておいてもよさそうです。もしかすると、その後は「辰巳(たつみ)天井」につながる黄金の3年になるのかもしれませんし。

 

最後に、来年の初詣に訪れると縁起がよさそうな神社をご紹介します。

東方は、埼玉県さいたま市の「調(つき)神社」

月のお使いとしてうさぎが祀られ、安産祈願やツキを呼ぶご利益があるといわれています。鳥居のない神社で、狛犬の代わりに狛うさぎがおり、手水舎もうさぎだそうです。「ツキ」を呼ぶということから、勝負事のパワースポットとしても有名で、浦和レッズの選手たちや監督が毎年、新シーズンを前に必勝祈願に訪れるそうです。

西方は、大阪市住吉区の「住吉大社」

地元の方々からは親しみをこめて「すみよっさん」と呼ばれているそうで、航海安全の神様、和歌の神様、農耕・産業の神様、弓や相撲などの神様としてしられています。

住吉大社の御鎮座は、卯年卯月卯日(うのとしうづきうのひ)に祀られたことから、うさぎが御祭神のお使いとされているそうで、住吉大社の御守りはうさぎの絵が施されているようです。また、境内にある「翡翠のなでうさぎ」となでると後利益があるとか。

是非、新年の初詣にお参りをされてはいかがでしょうか。

トレーディング部/部長
渕上 幸男Yukio Fuchigami

国内証券会社で営業職4年。外資系証券会社に転じ委託取引や自己取引のセルサイド・トレーダーとして10年。国内投信委託会社に転じ、証券会社への売買発注にともなうバイサイド・トレーダーとして3年。その後、国内証券会社や株式投資情報会社でヘッジファンド調査や株式市場調査に従事。2015年10月にコモンズ投信に入社。

(終わり)

※本文中で示した実績は過去のものであり、将来を予想・あるいは保証するものではありません。

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