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福本       この本は小学生ぐらいの親子を想定していると思うのですが、おこづかいが具体的になってくるのは中学生ごろからという感覚があります。

 

高濱       はい、そうですね。僕は小学校の3、4年ぐらいまではあげなくてもいい派ですね。子供が必要だったら言って、OKが出たら買ってもらえるような。各分野で大成功した人たちの生い立ちを研究した時に、その人たちの子どもの頃は本だけはいくらでも買ってあげるという家が多かったですね。我が家はものすごく本が大事だと思っているというメッセージが伝わるから、本を大切にする子が育つ

それから、やっぱり中学生ぐらいになると、ちょっとした遠出とか飲み食いなんかが楽しい年頃ですよね。立ち食いのコロッケでも楽しい、みたいな。その時にお金がないのはかわいそうだし、運用を考えはじめるのは5、6年から中学生ぐらいからでいいのではないでしょうか。

親子が上手くいかない思春期って結構母と子でいがみ合ったり親父みたいになりたくねぇみたいになったりとかあるわけです。

その時期になにかあたらしいことを促しても聞く耳持たない。

でも例えば「小6の春休みになったらお父さんとあなたの2人で旅に出るからね」っていうのを小1、小2から言っておく。すると、自分ですっと受け止めたものはちゃんとやるんですよ。

中学生になったらおこづかいをいくらにしたいか話し合おうって小学生の頃からやっていくと、先のことだから理想的にちゃんと言うんですよね。

「先々のことをあなたが決めなさい」と自分で決断をさせるとすごくうまくいく

中1になった時におこづかいの金額を話し合いましょうって言ったって「いいよ、そんなの俺やらねー」と通常なるのが、そうならない。「友達関係も必要だけど、勉強もすごく頑張る。なんか中間とか期末ってすごい大事なんでしょ?」みたいな。「僕も将来の事は真剣にやるからがんばるぶん多めに欲しいかな」とかって言って、じゃあ何千円ね、と決まる。とてもいい方法です。

 

福本       その準備としてのおこづかい帳をつけるのは小学生ぐらいがいいんじゃないかっていうことですね、伊井さん。

 

伊井       そうですね。会話を親子でするときのひとつのツールとして使ってもらえればいいんじゃないかと思います。

 

福本       月給制なのかお駄賃制なのか報酬制なのかとか、いろいろ試行錯誤を小学生ぐらいの時にしておいて、中学生からこのようにやろうねってできたら理想ですね。

 

高濱       僕こそが小学生の時にこの本(こどもお金ルール)読んでおくべきだったと思うぐらい破綻した人生でした。

宵越しの金は持たねえ!とか、畑 正憲さんみたいな麻雀をやる人たちが稼いだ分全部使うぜみたいなのとか、藤沢 秀行は最終レースに全て突っ込みました!みたいなのを聞くと、「かっけぇぇ!」みたいな(会場一同、笑う)。

そう思わされた側なので、ちゃんとしたことを誰かが言ってくれないと。こづかい帳つけるなんてことさえできればだいぶ人生が変わっただろうなって思います。

 

福本       でもその時の経験があるからこのおこづかい帳がやっぱり大事だと後生に伝えられるわけですよね。

 

高濱       そうですね。例えばマネーフォワードの辻くんが、最初に会った時に「家計簿的なのやってるんです」って言った時、いいとこ目つけたなって思いましたね。自分が欲しかったなって。

 

福本       辻さん喜びますね。でも今社会人でおこづかい帳をつけてないという方もいらっしゃると思うんですよ。そういったアプリも昔に比べるとすごく便利になってますし、大人もおこづかい帳のつもりでやっていくといいかもしれませんね。

 

高濱       あと、おこづかい帳をつけた後の振り返りも大事だと思うんですよね。要するに我々がやりたい事は、子供たちが生きたお金の使い方をイメージできるように育てることなので、なんで自分はこういう風に使ったのかを考えられたらいいですね。

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