おはようございます。渋澤健です。関東の週末は清々しい秋晴れに恵まれましたが、全国各地の皆様はいかがお過ごしされたでしょうか。
さて、土曜日の夕方にBSテレ東で、パックンとの対談で「ウェルビーイング」について考えました。
「真の『豊かさ』とは? パックンが賢人に問う 新時代のモノサシ『Well Being』」という番組です。なかなか良い内容だったので、再放送があると良いですね。
自分は別に「賢人」ではないですが、色々と楽しくパックンとお話することができました。以前から、自頭が良い芸人だなあと思っていましたが、かなりのインテレクチュアルですね。頭の回転がかなり速く、対談のテンポも良かったです。
真の「豊かさ」が、GDPという経済成長の簡単な数字では語れない世の中になってきていると思います。それは、実は企業経営のパフォーマンス基準とされているROEもそうかもしれません。たくさん債務を増やして、自社株買いすればROEは改善できますからね。でも、それが、会社の持続可能な成長へつながるとは必ずしも言えません。
でも、投資はパフォーマンスの可視化が必要であり、端的に言えば「なんぼ儲かった」ということになります。
利益は否定できない。利益の可能性があるから、そこに新しい設備投資があり、資本市場からの投資の関心が高まります。
けれども、単年度の利益が全てか。
これは、難しい課題ですね。長期投資家は、目先の利益は否定しない。けれども期待していることは、投資先企業の持続可能な価値創造です。企業の持続的に価値創造の可能性があるからこそ、長期投資家は長い年月をかけてお付き合いできるのです。
パックンとの対談では、企業の最も重要な見えない価値は「人」であるという考えを示しました。売り上げ、利益、ROE等は企業の財務的な見える価値の表現です。でも、会社の長期的な持続的な価値創造の源は、そこで働いている人です。でも、資本市場からは、なかなか企業の人材の個々の働きや意気込みを直に見えることが少ないですね。だから、コモンズ的には言えば、「対話」が必要で、だからこそ投資先企業の「人」の想いや働きの可視化のために様々なセミナーを展開しています。
最近、「新しい資本主義」とは何かと色々と考えさせられています。「成長」から「分配」に留まることなく、「分配」が更なる「成長」へとつながること、それも、地球環境にサステナブルな形で展開する「好循環」が求められています。
そのために、財政という借金によるフローに依存するだけではなく、好循環を創るストック(本「もと」)を強化することが、新しい資本主義の役目ではないでしょうか。そして、そのストックの大本「おおもと」とは、「人」なんじゃないかなと思っています。それも、特に日本の場合は「量」の側面ではなく、「質」の面で。
「人」のウェルビーイングがなければ「質」向上がない、ということを考えると、ウェルビーイングと投資を結び付けているのは「人」なんじゃないかなと、色々と考えをめぐり回しています。