おはようございます。渋澤健です。台風が横切ってから、良い天気に恵まれた連休をお過ごしのことと存じます。

さて、コモンズ30ファンドを世に出すためにコモンズ投信を設立してから、ずっと言いづけていることですが、改めてここで考えを示したいことがあります。自分が長期的な積み立て投資に目覚めたのが、会社設立の源流にありました。自分の子どものおかげです。腕元に抱いている、この小っちゃい赤ちゃんが、いずれ成人となり、社会へと飛び立つ姿がぼんやりと頭の中で見えました。その日のために、成人となった子を応援する資金をつくりたいと思い立ちました。

子どもの成長を応援するための、子どもの成長と共に積み立てる性質の資金なので、成長性ある株式投資だなと。

同時に気づいたことがありました。当たり前のことですが、当時40歳であった自分は、子供が成人になる頃は60歳になっている。それまで、自分自身は60歳以降の自分の人生のことを全く考えていませんでした。そのときの稼ぎで、今の自分と(そして増えていた)家族の生計を立てることくらいしかイメージできていなかったと思います。ちょっと反省しました。自分の将来のためにもと思って、子どもたちと一緒に積み立て投資を実践しました。

今から振り返ると20年なんて、あっという間でした。

さて、ここで特に、団塊ジュニア世代の皆さんにお伺いしたいです。以下の図の人口動態では二つ目のコブの世代が、みなさんですね。20年後のご自身の生活を考えたことがありますか。そのために何か、現在実施されていることはありますか。

みなさんが生まれたのは昭和時代。日本の経済社会に活気ある時代でした。団塊の世代がつくった日本の成功体験の延長線上にしか未来が見えていない時代でした。

ただ、みなさんが成人になって大学卒業する頃の日本社会は様変わりしていましたね。自分たちよりちょっと年上の世代は「バブル入社」で、就職先から引っ張りだこ。ところが自分たちが就活しているころには「氷河時代」になったといわれました。

会社に入って20年ぐらい経って、上を見ると、やたらに「バブル入社」組が目立ちます。社会の人口は団塊ジュニア世代より少ないのに、会社では自分たちより多いかもしれません。

親から上の世代は、日本の良き時代を社会人として満喫にいて、日本社会においてその人口の割合が高い。彼らは高度成長期の恩恵を受けているので、世代としては資産を形成できている。そして、国が用意している年金制度は、現役世代の働き(税)で支えられている。票の数も多く、投票所にも足を運ぶので政治家にとっては不満を軽減しなければならない存在でもあります。

でも、団塊ジュニア世代のみなさんが社会人になってからは、失われた10年が、20年となり、30年になった。そして、気づいたら、人口は自分たちより少ないのに「デジタル・ネイティブ」といわれているミレニアル世代・Zs世代の方が社会で注目を浴びている感じがする。

では、未来は、、、と目線を振り向けると、見える未来は、これ。

団塊ジュニア世代の皆さんは、まだまだ人口が多い。けれど、下の世代はすっからかん。人口ピラミッド型の昭和時代に、人生65年の時代に、設計された年金制度・保険制度の延長線上では、未来の豊かな生活は皆無です。

では、どうするか。

まず、確実に起こる人口動態の上に「見える未来」だけに目を奪われて失望することでは解決になりません。また、見えている未来に目を向けないことも、解決には繋がらない。

ならば、どうすれば良いのか。

未来に確実に起こる「見える未来」だけではなく、不確実性がある「見えない未来」があることにも意識を寄せるべきだと思います。不確実性とは、リスクがあること。リスクがあるということは、悪い方向に転ぶかもしれないけれど、良い方向に転ぶかもしれないということです。

先輩世代が昭和時代に築いた成功体験の延長線上には、自分たちの豊かな未来を描くことはできないという意識を、団塊ジュニア世代のみなさんは高めるべきではないでしょうか。現役世代で最も人口が多いのは、みなさん団塊ジュニアです。日本社会で一番票が多い現役世代として、自分たちが望む未来を政治プロセスを通じて社会に表現する手段が民主主義で制度化されています。

その未来のためには、ざっくりいえば、社会における富の分配が必要なのか。それとも改革による新陳代謝を高めることが必要なのか。それぞれの価値観があり、単純な〇×では決められません。

ただ、富の分配型だけに留まる日本社会は、昭和時代に築いたストックの食いつぶしだけになる懸念があります。弱者を支えながらも社会への参画を促し、これから新しい成功体験を築く先行投資が必要な時代の節目ではないかと、私は思います。

いやいや、それはわかった。けれど、もうちょっと身近なところから何かないか。

はい、あります。それは、自分の見えない未来において豊かな生活につながるストックを自ら形成することに意識することです。そのために、社会における自分の(現在の会社内だけではない)労働価値を高めるために色々なことを体験する、色々なことに気づく、自らのストックづくりが大切だと思います。

そして、将来の年金が無くなるわけではない、けれども制度的にはかなりのストレスがかかることが見える未来に向けて、自らの「年金サプリ」を服用すべきです。そう、つまり、積み立て投資です。

10年前と比べると、積み立て投資の選択肢は本当にたくさん増えました。それぞれの価値観に見合う「年金サプリ」が必ずあるはずです。

その中で、コモンズ投信が提供している積み立て投資の特徴とは何か。まず、当然ながら、コツコツと資産を形成できる長期投資です。運用パフォーマンスは外せません。

ただ、それだけでは不十分だと私は思います。色々なことを体験できる、色々なことに気づく。コモンズ投信の「企業との対話」、「ソーシャル・エンゲージメント」、「こどもトラスト」などを通じて。

これもコモンズ投信が提供できていなければ、コモンズの存在意義である「一人ひとりの未来を信じる力を合わせて、次の時代を共に拓く」ことは単なるスローガンになってしまいますので。私たちはかなり本気です。団塊ジュニア世代のみなさんも、コモンズ投信と今日からご一緒に本気になっていただくのはいかがでしょう。20年~30年なんて、あっという間に過ぎてしまいます。

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