福本 本日はよろしくお願いします。それではさっそく高濱先生からご自身とはなまる学習会の紹介をお願いします。

高濱 30数年前にこの国が教育は出来上がっていた。いいところはいっぱいあるんですけど、とは言え社会的引きこもりを何百万人も育て上げ続けているような、でも誰も何も手を付けていないというような状況だった。それで、僕は「メシが食えること」に焦点を当てた。ナントカ大学合格ということではなく、究極的には社会人になってメシが食えてるということ。それともうひとつ、幸せになっていること「俺って人の役に立ってるぜ」とか思いながら生きていけるような人を育てることを塾としてやろうと思った。考える力言葉の力野外体験、これはつまり遊びの中に全てがあるっていう考え方なので、それを真剣勝負で取り組んで来た。あとは親が変わらないとどうにもならないという事に気づき、保護者の講演会に私のエネルギーの9割方を費やしてきたという、そういう会でございます。

福本 ありがとうございます。ところで先生今日はすてきなTシャツですね、会場にもすごく合っていますね。

高濱 これはですね、うちの子が重度の障害があって、ダウン症や知的障害の子が描く最近話題のヘラルボニーとは違って、重度障害でしゃべれないし座りもしないという子の絵はなかったんですよね。親としてはどこか居場所をいくつも作っておこうという事だったんです。たまたまうちの子の絵を見た青年が、彼は20年以上やってきた人だったんですけど、突然、「これめっちゃイケてる。絶対僕これはいけると思います」「シャツにします!」とか言って作って、神宮の店に置いてもらったらその日にバンバンバンと、え!そこもか!というようなところのバイヤーの人も扱ってくれた。重度障害の子なんですが、今後もしかしたら納税者になれるかもしれないという夢を見ながら、納税したらすごく面白いなと思って、私も一生懸命着て回ってます。

福本 ありがとうございます。ではお隣、伊井さんもすてきなシャツですが、ご自身とコモンズ投信の紹介をお願いします。

伊井 私も高濱先生の息子さんと何度かご一緒させていただきました。時々展覧会が開かれてて人気を博しているのがすごいなと思います。
ちなみに僕が着ているTシャツは数年前の社会起業家フォーラムのときに京都発チャリティー専門ファッションブランドのJAMMIN(ジャミン)さんにデザインしてもらって作ったコモンズTシャツです。

さてコモンズ投信はですね、リーマンショックのタイミングである2008年にスタートしました。私と会長の渋澤にそのときそれぞれ小さな子供がいたというのもあるんですが、30年目線で持続可能な社会を作るために金融でできることがあるだろうという事で、30年先の未来をみんなで一緒に考えていこうと会社を作りました。
会社のロゴも親子が手を携えている30個のドットでできています。
コモンズというのは「共有地」という意味で、お客さん、投資先、寄付を創業以来続けていますので寄付先、販売してくれるパートナーといったようにみんなが集まる場として、そこで気づき・学びを得て明日への希望につなげていきたいという思いで会社を作ってきました。
実はコモンズのお客さんの16%近くが未成年です。持続可能な社会を作りたいという事もあって子供たちとお金や寄付のワークショップをしてきたことも未成年口座の割合が高い理由かもしれません。今回ご縁をいただいて高濱さんと本を出すことができました。

へつづきます

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