投資教育に必要なこと

皆さん、こんにちは。
コモンズ投信の伊井です。

先般、母校である愛知県の公立高校で講演する機会に恵まれました。
テーマは、「社会における金融の役割」とし、お金が社会を循環していることをイメージしてみるといろいろなことが見えてくることから話を始めました。
例えば、ボールペン1本購入する、ということを考えても、そこには1.原材料を作る人、2.組み立てる人、3.出来た製品を運ぶ人、4.広告など販売促進を担当する人、5.お店で販売する人などがいます。

仮に300円のボールペンを1本購入するだけでも、多くの人がかかわっていることがイメージ出来ると社会の仕組みが見えてきます。

また、働いてお金を貯めていくことにもビジョンを持つのと持たないのとでは、大きな違いが出てくる話もしました。
イソップ寓話で有名な「3人のレンガ造りの職人」の話を用いて説明しました。
旅人が、同じようにレンガを積む3人の職人に「何をしているのか」と聞いたところ、1人目は「見れば分かるだろう。仕方なくレンガを積んでいるのさ」、2人目は「家族を養うために、レンガ積みの仕事をしているんだ」、3人目は「歴史に残る大聖堂をつくっているんだ」。
1人目は単純作業として、2人目は生活のため、3人目は後世の人々の心のよりどころとなる大聖堂を建てようとレンガを積んでいる。同じ作業をしていても、何を目的とするかによって充実感が違ってくるし、将来、仕事の選択肢の広がりも変わっていくことでしょう。これは勉強においても同じで、目的を明確にすることが人生を豊かにしていくはずとお話ししました。

最後に資本主義も変わってきている、これまでの資本主義は経済の発展にはつながりましたが、環境問題や格差問題などの外部不経済(市場を通じて行われる経済活動の外側で発生する不利益が、個人・企業に悪い効果を与えること)を置き去りにしてきました。これからの資本主義は外部不経済を取り込んだ資本主義に変わっていくと考えられます。
そんな時代には、お金の使い方で社会をもっとよくする循環がつくれること、社会課題の解決につながる金融が重要になっていくこと、そんな中で自分に適した仕事を見つけていくことは素敵ですよね。

1時間の講演の後、途切れることなく、熱心に質問を寄せてくれました。メディアで見る金融教育の話は、どれもノウハウの話が多くて手段の議論が中心に感じますが、大切なことはご自身やご家族の人生の目的や夢を描く話が先で、その目的や夢を実現させていくための手段が金融教育であると思っています。

 

コモンズ投信では、お金が社会を循環していること、社会をもっと良くしていくためのお金の循環を感じられるセミナーやイベントを開催しています。
是非、今後もコモンズ投信の情報発信に注目してください。引き続き、よろしくお願い申し上げます。

 


 

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