日本が貧しいわけではない・・・ポテンシャルがある

おはようございます。渋澤健です。

土曜日に、ご縁あって岐阜県垂井町で講演しました。関ケ原に隣接する本州の東西の境で、江戸と京都をつなぐ中山道が通っていたロケーションなので、かつての江戸時代では交易が盛んであった地域と想像します。でも、今では、このようなシャッター街です。

失礼な言い方になりますが、廃れていてちょっと貧しく見えますよね… (ただ、講演には60名ぐらいが集まってくれて、ほとんどが若者でした。外からの生の情報を求める意識が高い地域なのかもしれません。)旧中山道を辿ると同じような状態の町が数多く存在しているでしょう。

この週末には親日派エコノミストのヤスパー・コールさんのメルマガの最新号も受信していました。「Japan is cheap, not poor」。つまり、日本は貧しいのでなく割安である、と。

ちょっと目を引いたヤスパーの指摘がありました。仮に為替レートが160~180円まで下落すると、若手日本人の初任給よりもマニラのトップ・レベルの看護師の年収の方が高くなる、と。。。かなり、ショッキングですよね。

現在の円安は、コモンズ30ファンドが投資している多くの企業の追い風になります。(ファンド全体の企業の売上を合算すると、売上のおよそ半分が海外になり、長期的なトップ・パフォーマーのシスメックスダイキンやの海外売上比率は8割です。)ただ、それだけで私たちは円安を喜ぶべきか。

日本の一般個人の金融財産の半分以上を現預金で抱えています。(米国は14%弱、欧州は34%強)一般的に、日本人は「減る」ことを恐れ、現金の方が確実と思っているようです。ただ、現金は「額面」は確実ですが、「価値」は不確実です。物価等のインフレが高まるということは、現金の価値が下がっていることを示します。

でも、日本はインフレがない。日本銀行総裁もそのようにお考えのようです。

しかし、他の国ではインフレが暴れています。そのため、欧米の中央銀行は金利(お金のコスト)を引き上げています。一方、日本はインフレがないから金利を上げていません。より正確にいえば、「上げられない」と表現した方が状況を示しているかもしれません。日本銀行が莫大に抱えている国債残高が巨大な含み損になるからです。(金利が上がると債券の価格は下がる)

だから円安が進んでいます。

私が構成委員として参加した「新しい資本主義実現会議」は資産所得倍増プランを提唱しました。ただ、資産も所得も、世界の視点から見ると倍増どころか、この半年間でかなり貧しくなっています。。。

いや、でもヤスパーの指摘は正しです。日本が貧しいわけではない、割安になっているのです。垂井町も、そうでありましょう。割安=そこにはポテンシャル(潜在的な可能性、見えない価値)があるということです。

その割安な状態で日本人は現預金から日本の成長性の資産へとシフトすべきです。外国人から見れば日本は大バーゲンに見えることは明らかですから。すべて、コモンズ30ファンドにシフトしてくれという訳ではありませんので。(それは極めて喜ばしいことと思いますが。。。w)

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