世界一を目指している村

おはようございます。渋澤健です。連休、楽しくお過ごしでしょうか。

私は、「世界一の村にすることを夢」にしている若手たちが活躍している北海道の江丹別を訪れました。旭川空港から車で1時間弱ぐらい、山に囲まれた盆地にある小さな集落です。人口は約250名。今まで何回か講師として参加したことある「熱中小学校」という大人の学びの場を日本全国の田舎で設けている活動の江丹別校からのお呼び掛けで初めて訪問した地域です。

車で1分足らずで村の中心部を通過してしまう過疎地ですが、立ち止まると、面白いことが起こっているのが見えてきます。まず、日本の過疎地として考えられないですが、この3年間で人口が一割ほど増えています。(25名ほど。。)そして、そのほとんどが20代の若手です。

この現象の起爆剤となっているのが伊勢昇平さん、36歳の実業家です。地元生まれで、実家が営む酪農業に新たな価値をつくるために目指したのは「世界一のブルーチーズ」です。恐らく国内ではオンリーワンとして始めたため、修行にフランスへと渡り、試行錯誤を繰り返しながら現在の事業を展開しました。

ただ、目指している夢は「世界一の村」ですから、ブルーチーズ生産だけにとどまることはありません。最近ではサウナ事業も手掛け始めました。自然の緑(冬は真っ白)に囲まれながら、貸し切りできる素敵な空間なので是非とも体感していただきたいです。(自分もオファーいただきましたが、講義の前にサウナに入ったらグタグタ状態で登壇することになるので、今回は見送りました。)

実は江丹別の人口増の現象は、伊勢さんの夢と地域の自然豊かな生活空間に魅了された若手たちの移住です。林業を営んでいる20代の木こりは、都会の人たちに森への導線を設けるために、COCOMORIというキャンプ場をこの週末からオープンしました。木の間にデッキ等が設置してあり、絶妙な空間を体験できます。

また、江丹別で唯一、行列があるのがトレーラーハウスのパン屋さんのアマンです。遠方からここまで足を運ぶお客さんが多いだけに、本当に美味しい。

そして、村で唯一のレストランのchiraiのオーナシェフの腕前はかなりのもの。(「本業」はイトウ釣りの名人で、料理人は「副業」のようです。)地元産の食材しか使わないお料理は本当に美味しかったです。ランチも授業終了後の懇親会も、そこで食べました。レストランはひとつしかありませんから。

ちなみに、これは自分が今まで食べた世界一美味しいと感動したチーズケーキ。もちろん、ブルーチーズです。

若手移住者は、どこに暮らしているのか。人口が一割も増えているのですから。一軒家付き100坪の土地を20万円(!)で購入することを、伊勢さんは最近お手伝いしたようです。また、別の若手は、所有者から、「良いよ、良いよ、あげるよ」とタダで一軒家を譲ってもらったとか。

こういう世界、こういう生き方があるんだなぁといろいろな気づきを提供してくれた江丹別。これから、どのように発展していくのか楽しみです。

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