未来創造「風の谷」

おはようございます。渋澤健です。

猛暑の6月下旬でしたが、カンカン照りが台風接近で雲がかかり、今週はちょっと和らぎそうですね。しかし、暴風雨になるとのこと、くれぐれもお気をつけて今週をお過ごしください。

さて、週末の土曜日のとある私的勉強会の夏季セッションで知的強風で大いに刺激を受けました。講師は、ベストセラー「シン・二ホン」の著者で、様々な方面から話を聞きたいと引っ張りだこになっている安宅和人さんでした。3時間のセッションを、ぶっ続けて講義と質疑応答にご対応いただいたき、大感謝です!本当に色々な「引き出し」を持っていらっしゃる知識人です。

 

こちらの第6章「残すに値する未来」でご紹介されている「風の谷」という未来創造プロジェクトのお話から色々と展開した素晴らしいセッションでした。ごく簡単に自分の理解を示せば、映画「ブレードランナー」から連想する都市集中型モデルだけが未来ではなく、自然と共生している「風の谷のナウシカ」を連想する未来創造の提案です。過疎地の従来の「村おこし」という次元よりも、古代からの「土地の記憶」を活かした自然と美観により、多様な集まりから生じる知性・文化の場づくりというオルタナティブの構想です。

大事なポイントは、「か」ではなく「と」であること。両方があることで、オルタナティブが成り立つと安宅さんはご指摘されました。

また、私が考えさせられたのは「価値」について。過疎地が「風の谷」になるには、そこに価値を感じる様々な人々が必要です。ただ、その価値とは、単に目に見える価値だけではないかもしれません。同じ田園風景がある場でも、そこに見えない価値があるからこそ、人々の期待感が刺激され、つまり、未来を感じて、未来を信じて、価値が生じる。

「成長」のスピード感という価値があるのが都市でありましょう。「風の谷」には同じスピード感の刺激はないかもしれませんが、成長を否定している訳でもないことが大事なポイントだと思います。安宅さんは経済の成長は必要と断言されていました。

脱成長を求める声の「なぜ」について色々と考えさせられていますが、大自然は常に「成長」と「衰退」を繰り返しています。それは、環境が常に変化し、それに対応しなければならないからです。言い換えると、GDPやROEでなくてもよいと思いますが、何かの「成長」を求めないと進化もイノベーションも起こらず、環境変化に適応できず、ただ衰退するだけのつまらない人間社会になってしまうと思います。

しかし、これからの時代の成長は、今までのように、単純に人口増によるものではない新たな価値観が必要である。安宅さんと私は同じ考えでした。

そういう意味では人口減である新しい日本には、人類と地球の共生にとっての色々な可能性・重要な役割がありますね。

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