インクルーシブな資本主義を目指そう

おはようございます。渋澤健です。

土曜日の朝に、日本のソーシャルセクターの総本山の大会であるFRJ2022のオープニング・セッションで、コモンズ社会起業課フォーラムのOBである、岩附由香さん、米良はるかさん、鵜尾雅隆さん、そして、コモンズ投信が設立された当時から応援していただいている藤沢久美さんをモデレーターとするパネルディスカッションに参加する機会をいただきました!テーマは、「新しい資本主義」が実現するインクルーシブな社会でした。

岸田総理の「新しい資本主義」は、市場や一般世間からも、残念ながら、あまり評価が高くないと感じています。一言で意味がわかることを市場やメディアから求められますから。分配なのか、成長なのか、どちらなんだ!と。

でも「新しい資本主義実現会議」の有識者メンバーとして感じる大事なキーワードは「好循環」です。成長か分配ではなく、成長と分配の「好循環」です。この好循環をつくることが新しい資本主義が目指すべきところだと思います。

「新しい資本主義」を英語で表現すると「New Form of Capitalism」として訳されていますが、これだけだと意味不明で、総理が目指している「日本発でリードする」ことができないと思います。私は「新しい資本主義」とはCapitalism that cares. It cares about the environment, it cares about the society and people, and yes, it cares about shareholdersではないかと考えています. Caresとは、思いやりです。思いやりがある資本主義です。

「新しい資本主義」が、市場や競争を否定しているというメッセージングを出してはならないと思います。むしろ、新たな尺度によって市場や競争を促しているというメッセージが必要です。その新しい尺度とは、環境や社会課題という外部性の解決を「費用」ではなく、新たな「価値」として表現できるものです。簡単な解を求める傾向の中、複雑系が高まることを否定する声が少なくないと思います。ただ、複雑な外部性も包摂する「インクルーシブな資本主義」、これが「新しい資本主義」のあるべき姿でありましょう。

いや~しかし、難しい話は別として、より良い明日を目指す同志と共に過ごす時間は、とても楽しかったです!長年のお付き合いであり、それぞれが、それぞれの道で突き進んでいるお姿に勇気をいただきました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

 

 

最新情報をチェックしよう!