おはようございます。渋澤健です。

雨の尾道市で朝を迎えています。昨日は富山の滑川市で講演会を経て、富山→金沢→京都→福山→尾道と乗り継ぎましたが、どこに行っても人の移動が多かったです。

東京駅発の北陸新幹線は満席でした。

金沢から京都のサンダーバード号も満席でした。

京都駅は久しぶりの活況を取り戻していました。2ヶ月前に同じ時間帯の20:00では閑古鳥が鳴いていて、ほとんどの店が閉じていました。その寂し~い時が、ちょっと懐かしくなるぐらい、ごった返し状態でした。

こんな状況なのにGoToを再開する意味がわかりません。それも1兆円程度の予算も使って。GoToを目当てに旅行支出は3兆円以上という試算もあるので、3倍以上のリターンがあるという見方ができるかもしれませんが、でも、それは実施されている1年だけ。仮に再開しなくても、3兆円以上の旅行支出もあるかもしれません。

このような規模の金額を、今の旅行支出を刺激するだけでなく、日本の未来世代のためにも先行投資をしてほしいです。彼らに借金を押し付けるだけではなくて。1兆円を使って、日本の大勢の若者の海外留学・研究を徹底的に支援したら、日本の未来は大きく変わるのに。

未来世代の先行投資という観点から、大学ファンドが設置されたことは評価できます。ファンド投資の利益から大学の研究費等に当てる仕組みは、長年、米国の大学基金が行ってきたことです。資本市場へリスク・キャピタルを提供し、その利益の一部を「ペイアウト」することで知的・人的資本の向上へつながるエコシステムです。

ペイアウト比率が5%でファンド運用が長期的に5%以上で回れば、そのファンドは長期的に拡大し、拡大すればペイアウトも増えます。「内部留保」という成長ですから、悪いことではないです。投資ではなく、過剰な「現金保有」をしてリターンを経済的にも・社会的にも生まないことの方が問題なんです。

ただ、現在の大学ファンドの設計の問題は財投を財源に使っていることだと思います。つまり、借金を使っていること。未来世代からお金を借りて、未来世代へ投資しているということになります。

日銀が保有しているETFを基金に移管して、現物化すれば配当収入が期待できて、これを大学ファンドの財源に使う方がベターだと思います。借金ではないので、永続的な存在にもなり、日銀がいずれETFを市場に放出する懸念もなくなります。また、国民が新たなリスクを抱えている事態にもならない。ただ、「前例がない」が思考の壁となる課題があるでしょうね。前例を作らないと未来世代への先行投資はできないのに。

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