おはようございます。渋澤健です。
各地で猛烈な雨が継続した悪天候で、大きな支障なくご無事であったことを祈願いたします。
さて、4月中旬のブログでご紹介した「エーザイとコモンズの「見えない価値」への取り組み」
製薬会社 エーザイ株式会社の専務執行役 CFO(最高財務責任者)柳良平さんとの対談が価値創造レポート2021で公開されました!53ページ から掲載されています。
仲良しのお散歩みたいな雰囲気ですが、内容は日本企業の価値創造の報告で先端を歩んでいると思っています。去年まで「統合報告書」と公開されていましたが、今年からは「価値創造レポート」と名称変更になっていることにもフロントランナーの意気込みを感じます。
4月のブログにご紹介した「柳モデル」の企業価値報告に加え、企業の環境的・社会的インパクトを企業会計に反映するHarvard Business Schoolの IWAI(Impact Weight Account Initiative)の共同研究にに日本初の企業として取り組んでいる内容も紹介されています。
IWAIは、日本企業の「見えない価値」の可視化につながり、多くの日本企業の万年割安感の是正の可能性があると私は期待しています。間違いなく、これから関心が高まる新しい時代の考え方だと思います。日本語の抄訳は、こちらをご参考に。
IMPACT-WEIGHTED FINANCIAL ACCOUNTS: The Missing Piece for Impact Economy
これはポストESGの動きになる可能性がある時代の潮流です。企業の非財務的な価値の「情報開示」から、企業の環境的・社会的インパクトを「測定」し、測定しているのであれば、その「目標設定」です。
もちろん環境・社会的インパクトを会計制度に反映するには色々な課題があり、容易ではありません。ただ、「知らないところで新しいルールが決まっている」ということを嘆くことなく、研究の段階から日本企業が積極的に共同研究などを通じて関与することは、とても大事なことだと思います。