おはようございます。渋澤健です。この週末は雨模様で、あまりスカッとする気分にはならなかったかもしれませんが、逆に家でゆっくりと休養できた方も多いのではないでしょうか。

さて、昨日の「日経ヴェリタス」の特集『みんなのアクティビズム 「利己も利他も」変わる株主』良かったですね。

投資の文脈で「対話」という言葉が使われることは、最近では一般的になりました。

ただ、コモンズ投信の構想を組み立てていた2006年∼2007年(ESGという概念が始まった同じ時期)で「対話」という言葉を使う事は一般的ではありませんでした。(正確に確認できている訳ではありませんが)「対話」という言葉を最初に使っていたのは私ではないかと自負していますw。

当時、「モノ申す」株主というアクティビズムが世間で話題になっていましたが、一方通行な要請では耳を傾ける企業の姿勢がありませんでしたし、「モノ申す」側も相手が聞いてくれないのでくたびれてしまう。双方向な「対話」の方が長続きして、お互いが学び合うこともできると思いました。

ここから、「30年」「30社」そして「対話」というコモンズ30ファンドの三つの柱を建てたのです。この「対話」を通じて、企業の持続可能な価値創造の源である非財務的な「見えない価値」の可視化を、コモンズのお仲間に入っていただける「みんな」のために努めることがコモンズの役割であると考えました。

その後、2014年に公表された「伊藤レポート」(「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト )において「企業と投資家の対話の欠如がもたらす悪循環」が指摘され、「対話」という言葉が一般的に使われるようになりました。私も当時、プロジェクト参加者として会合に出席させていただき、懐かしい思い出になっています。

「対話」がコモンズ投信およびコモンズ30ファンドの原点にあったので、企業との、そして、我々の受益者(個人投資家)との間の対話の場を設けることを設立来、務めてきました。こちらの多くはCOMMONSTVでアーカイブ化されているので、お時間があったときにご笑覧ください。

毎年の春に実施してきたコモンズの総合的な対話の場であるコモンズフェスタは今年もコロナ禍で残念ながら開催できなかったですが、オンラインの運用説明会「見えない価値とESG」として6月12日(土)13:30∼15:00に開催します。ぜひ、ご一緒させてください。

このように企業と投資家の「対話」が一般的になってきた時代を迎えたということは本当に喜ばしい時代潮流だと思います。ただ、ちょっと危機感も感じています。「対話」のように、かつてエッジに立っていたコモンズですが、気がついたらど真ん中になっていた。コモンズ的なフロンティアを新たなに見つけて、エッジに立っていたいなぁと考えています。

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