おはようございます。渋澤健です。

土曜日(4月3日)にNHK BS1スペシャル「渋沢栄一に学ぶSDGs”持続可能な経済”を目指して」の案内人を務めました。高祖父(おじいちゃんのおじいちゃん)の思想を、気候温暖化問題に立ち向かう企業(清水建設)から、プラスチック問題にチャレンジする企業(東洋紡)へと展開して、さらにサステナブルな街づくりに挑む企業(東急)へと流れるように上手につなげた、見事な編集制作の番組でした!

渋沢栄一は「日本資本主義の父」といわれ、凡そ500社の企業設立に関与しましたが、目的は利益の最大化ではありませんでした。高祖父の目的は、価値の最大化であったと思います。そして、その価値とは、今日よりもよい明日、豊かな生活を皆に実現できるような社会でした。当時の栄一の言葉で言えば、それは「国力」でした。

ただ、政府任せだけではそのような社会は実現しないと栄一は考えていました。つまり、民間力が高まらなければ、国力が高まるわけがないということです。

その民間力を高めるために「一滴一滴」のお金を寄り集めて、原動力となる「大河」をつくるために、栄一は日本初の銀行を創立したのです。

でも、これって、投資信託会社も同じことが言えますよね。一人ひとりが求める豊かな生活を実現させるために、一滴一滴を、毎月、長期的に積み上げる。

自分自身は渋沢栄一を意識してコモンズ投信を仲間たちと創業した訳ではありませんが、会社を立ち上げた後に、ファンドマネージャーの友人から指摘されました。「これって、渋沢栄一がやったことと同じですね」と。

いやいや、そんな大きな事ではないとすぐに答えたのですが、確かに、長期的な積み立て投資とは、一滴一滴の想いとお金が、「コモンズ」という皆が共感するところに寄り集まり、世代を超える長期的な視点で、より豊かな生活の将来を共に実現させるということ。これが出発点でした。一滴「と」一滴を合わせると、時代を超えられる、変えられる大河になりえるという考えは、「コモンズらしい」と思います。

二者択一という「か」の力は効率性を高める大事な力です。物事を分析する上でも必要です。だから「か」の力の否定ではありません。「か」の力で分断するから、事態がわかりやすくなります。

でも、分断すると、それ以上の化学反応が起きないということです。つまり、新たな価値創造が生じない。

「か」の力をしっかりと用いながらも、一見矛盾な組み合わせに見えても、現状では飛躍にしか見えなくても、それを現実へとつなげる試行錯誤である「と」の力を発揮すること。これが、「コモンズらしさ」でしょう。

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