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福本 続いてですが、「未成年が投資をするとか増やすっていう事について親も学びたいと思っています」というコメントを今頂きました。どういう形でアドバイスをするのが良いでしょうか。伊井さんいかがでしょうか。
伊井 親の承認がもちろん要りますから、未成年口座を開くのは一人じゃできないですよね。
それで何か投資をするってなった時に、お子さんがいろんなものに関心を持つ様になったら、話をしながら応援したい企業を一緒に選んでみる、投資信託の会社の企業の選び方に共感できるのであれば、そこのファンドで例えば積立で子供のうちから教育資金を作ってみる、というところから始められるのが良いんじゃないでしょうか。
教育資金は親の考え方で作ることになりますが、なんでこういう投資信託を買ってるのかを親子で話をして、例えば「長期で輝く企業っていうのはこういう特色があるんだ」というような事を年齢に合わせて話をしてみると良いんじゃないかなと思うんですよね。
高濱 聞きたいです。長期で輝く会社っていうのは一言で、何かありますか。
伊井 高濱先生が話をされたことと割と一緒で、この会社は本当何をしたいのかっていうのがはっきりしている会社って良いんですよね。単に大きくなりたいんだって会社はなかなか長期では難しいです。
「うちの会社はこういった社会課題を解決したいんだ」と本気で思っているというのが、やっぱりすごく大事です。それが明確に現れている企業は強いですね。
高濱 なるほど、課題の抽出力みたいなもんですかね。
伊井 そうですね。
福本 ただ、投資というと親御さん自身が経験していなかったりすると思うんですよね。子どもの為の投資となると更にハードルが上がると思うんですが、まずは一緒に始めてみて、一緒に経過を見ていくので充分ということなんですかね。
伊井 と思います。
高濱 親子でやる時は利益が目標ではないので失敗して良いと思うんですよ。
子供たちだってユーザーの1人なんだから、「この会社ここが良いんだよね」って思うものがあるはずです。まさに漫画のインベスターZの中で「このゲーム会社は冴えないように見えるけど、1ユーザーとしてみるとUX(顧客体験)がすごく良いんです。だから僕はこれにします」っていう風に、子供から見るとよく見えるものがある。
よしじゃあいくらいくらやってみよう、でも上がんなかった。だとしたら多分要因が何か出てくるはずなんです。社長がだめだったのかもしれないですし、他の会社もやってたからオリジナリティーが欠けてたんだね~とか、上げ下げに関わらず学びがあると思うんですよね。
ユーザーの目っていうのは価値の一番大事なところだから、そういう目で見てここ良いよねっていう買い方を家族でしてみて検討する。上がった下がったじゃなくて、なんでだろうねって考えていくと、伊井さんみたいな方のプロの目がすごく利いてくる。長期的に本当の想いを持っている会社がいいんだねみたいなの見えてくると思います。それは本当にすごく良いですよね。
福本 とにかくやってみる、と。そういう事ですよね。
高濱 そうですね、失敗前提ぐらいの感じで。本当に小額でいいので 。子供としては嬉しいじゃないですか、家族で買ったのが上がった、下がった~!っていうのが。ワクワクしながら、理由を家族で話し合う。
福本 ありがとうございました。ちょうど今終了時刻となっております。コメントも沢山いただきありがとうございました。最後に、高濱先生と伊井さんの方から皆様にメッセージを頂けたらと思います。
高濱 今日は本当にありがとうございました。
若いときは生活破綻者で、「貯めた分は使い切らないと!貯めて死ぬなんてあほでしょ」って言ってる様なお調子者でした。結婚した時にもまだ遊びの借金があったんです。雇われ社長で会社を始めたんですけど、その時多分調べられるんですよね。○○の借金は返してこい!とか言われました(苦笑)。
それが、仕事をして教育に関わり抜く中で、お金の事しっかり学んでなかったんだなっていうのを痛感しています。こういう経験が第一歩目だと思うんですが、これからもお金との付き合い方をみんなで考えていければと思ってます
福本 ありがとうございます。伊井さんからもお願いします。
伊井 何を大切にしているのかという価値観は、お金でわかりやすく見えます。だからこそ、親子でなぜ買ったのか・寄付するのかの話し合いを積み重ねていくことこそが大事だと思います。そういった会話の時に使う小ネタ集として、本書がお役に立てれば、と思っています。
一同 ありがとうございました。
これにて最後となります。長い間シリーズにお付き合いいただきありがとうございました!