医療と介護を未来へつなぐ──ユカリアの挑戦

「このままでは、日本の医療はあと20年もたないかもしれない。」

そんな強い危機感のもと、ユカリアは医療・介護業界の根深い課題に真正面から挑んでいます。病院の7割以上が赤字経営という厳しい現実。国家予算の約3分の1が医療・介護費に使われているにもかかわらず、医療提供体制はとても不安定です。

なぜ、こうした状況に陥っているのでしょうか?

原因はひとつではありません。たとえば、多くの病院では医師を頂点としたヒエラルキー構造が根強く残っています。
経営に明るくない医師が意思決定を担うことで、地域のニーズや経済的な合理性が無視されていることがあります。
さらに、医療機器の稼働率は平均で3割程度と非常に低く、高価な設備が活かされていない現状もあります。

病院の建物自体も老朽化が進み、耐震化や建て替えが必要なところは少なくありません。加えて、働き方改革の影響もあり、医師や看護師の離職が相次ぎ、人手不足が深刻化しています。こうした問題は地方だけでなく、東京・吉祥寺のような都市部でも顕在化しています。救急車の受け入れ先が見つからない、そんな事態が現実に起きているのです。

また、多くの病院では後継者の問題もあります。事業を未来へつなぐことができずに閉院を余儀なくされるケースも増えています。

こうした数々の課題に対し、ユカリアは「ヘルスケアの産業化」というビジョンを掲げ、医療・介護の現場に変革をもたらしています。

ユカリアが目指すのは、「三方良し」の医療です。病院経営の安定、医療従事者のやりがいと所得向上、そして患者や要介護者へのサービス拡大。この三つを同時に実現することを大切にしています。

そのために、病院の組織構造をフラットにし、経営や現場の意思決定をより柔軟に。また、病院経営に必要なあらゆる課題にワンストップで対応できる体制を整えています。資金調達や人事、建て替え、さらにはDXの導入まで、幅広く支援できるのがユカリアの強みです。

実際、これまで支援してきた40以上の病院はすべて黒字化に成功しています。目先の利益ではなく、10年、20年という超長期スパンでの成長支援がユカリアのスタイルです。

さらに、ユカリアは事業の幅も広げています。MRI/CT検査サービスを手がけるスマートスキャンを子会社化し、医療機器の稼働率改善に取り組むと同時に、生成AIを活用した新たなDXにも挑戦しています。介護施設や在宅介護の分野にも進出し、「地域包括ケアシステム」の実現に向けたユカリアならではのモデルづくりも進行中です。

M&Aや資本提携は「仲間入り」と呼び、自治体やアカデミアと連携しながら、より良い医療・介護のあり方を共に考える場をつくっています。

ユカリアはまた、インパクト投資の先導者でもあります。2023年からは社会的価値を可視化するための「インパクト測定・マネジメント(IMM)」を導入。東京大学と共同研究を進めるなど、非財務価値の定量化にも挑戦しています。

そんなユカリアの姿勢に共感し、コモンズ投信もIPO時に10億円の投資を実施しました。私たちは単なる投資家ではなく、ユカリアとともに社会課題の解決をめざす「共創のパートナー」です。

ユカリアが目指す未来、そしてその挑戦の全貌は、講演の記録映像で詳しく紹介されています。ぜひ、ご覧ください。

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