スタートラインに立ったばかりの新しい資本主義

おはようございます。渋澤健です。

先週の7日に、新しい資本主義実現会議と経済財政諮問会議の合同会合が設けられ、新しい『資本主義グランドデザイン及び実行計画』と『骨太方針』が閣僚決議されました。

色々と言われている「新しい資本主義」ですが、本当に素晴らしい(そして、楽しい)メンバーに恵まれ、色々と政府へと直接提言できた貴重な機会をいただけたことに感謝しています。

「新しい資本主義」は短期的な視点に捕らわれている資本主義への問題定義であります。長期的に世代を超える、持続可能な価値創造には成長と分配の「好循環」、そして、取り残されていた「外部不経済」(環境問題、格差問題、等)を資本主義に取り込むことは不可欠です。新しい資本主義とはインクルーシブな包摂性資本主義であると思います。

このような壮大な視野のスタンスでまとめられた長期的な実行計画ですから、今まで政府が取り込んで検討している内容も含まれていることは、「目新しさが欠ける」「総花的」と言われるかもしれませんが、当然でありましょう。「新しく」ないかもしれませんが、これからの新しい時代には重要な事項がたくさん含まれています。

今回のような政府の総括的な経済政策の討議に参加したことでわかりましたが、新聞の見出し、記事、概要だけに目を通すだけでは、内容を正確に判断することができません。細部が、削ぎ落されるからです。今回の実行計画には、今まで総括的な経済政策に掲載されていない項目も色々と入っています。

一次情報として、内閣官房が設けている「新しい資本主義」のサイトの実行計画をご自身の目で確かめて、ご判断されることをお薦めします。

コモンズ投信のお仲間に直結するのでご関心あると思われる事項は、当初に頭出しされていた令和時代の「所得倍増プラン」を➡「資産所得倍増プラン」へと修正できたことです。

国民の資産所得を倍増させるためには、全国民が参加できる、わかりやすい制度が極めて重要です。その観点から、「つみたてNISA」の恒久化・未成年(こども)解禁を会議中に何回か提言し、実行計画には「個人金融資産を全世代的に貯蓄から投資にシフトさせるべく、NISA(少額投資非課税制度)の抜本的な拡充を図る」という文言が明記されました。年内にiDeCoなど年金制度とセットに具体案がまとめられる予定です。

何せ、今回は実行計画です。実行が大切であることは言うまでもありません。そういう意味ではスタートラインに立ったということであり、7月の参議院選挙後の動きに私も注目しています。

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