米大統領選と崩れる架け橋

おはようございます。渋澤健です。

いよいよ今週は米大統領選挙です。勝利する大統領は、サイモン&ガーファンクルの名曲、Bridge Over Troubled Water(明日に掛ける橋)のようになってほしいのですが、どちらかというとアメリカの分断社会の雲行きが怪しく、且つ、橋が崩れ行く感じがしますね。

4年前、トランプが大統領になる訳がないと思っていた私なので、今回の選挙の結果について先見力は全くありません。でも、トランプ氏・バイデン氏のどちらが勝利したとしても分断社会の不満が鎮火することは見込めなく、むしろ炎上するかもしれません。

仮にバイデン氏への票が勝ったとしてもトランプ氏が敗北を認めなく、同氏の「熱狂ファン」が武力によって不満を示すことはあり得ると思います。また、バイデン氏が負けたとしても、トランプ氏に対する不満は米国内で大きく、そちらでも武力を含む暴動化を否定できないと思います。

4年前に、主要メディア、世論調査や一般常識により、ヒラリー・クリントンの勝利することに疑わなかった状況で、トランプ候補の勝利を「予想」していたごく一部がいたので、今回も世論調整がバイデン候補の優性を示しても、「隠れトランプ支持者」の存在でトランプの勝利を「予想」するコメンタリーは前回と比べて多いと感じています。でも、どうなんでしょうね。

米国の大統領選挙は単純な国民投票の過半数で決定するのではなく、州ごとの選挙人集会(electoral college)で決まります。日本の感覚ではわかりづらいかもしれませんが、アメリカは米国「合衆国」なので、ひとつひとつの州が「国」という感覚があります。ですから、票の集計の仕方も州によってマチマチなので、特に今回はコロナを意識したmail in ballot (郵送投票)が多く、選挙日当日で結果がわかる州もあれば、数日間かかる州もありそうです。

ただ、全ての50州の結果を見る必要なく、特に今回はフロリダ州(選挙人が比較的多く、且つ、共和党・民主党のどちらに傾くかわからないSwing State)、ペンシルべニア州、ウイスコンシン州、ミシガン州(重工業が多いRust Beltと言われ、4年前では予想を反してヒラリーではなく、トランプが勝利した州)を注目すれば、結果が概ね見えてくるでしょう。

また、郵送投票はバイデン氏が有利と言われているので、投票日当日にバイデン氏が圧倒的に勝利するようでしたら、結果は見通しやすいでしょう。

常識的に考えれば、バイデン氏が圧勝すべきと自分は見込んでいますが、4年前は大外れだったので、この予測は割り引いていただいた方が良いと思います。

で、どちらが大統領になれば景気・株式市場に有利なのか。これも、わかりません。以前はトランプ氏は景気・株式市場フレンドリーでバイデン氏は(富裕層への増税と言及しているので)ネガティブという考えが一般的にありましたが、たぶん、どちらでも大きな影響の違いはないと思います。なぜなら、超金融緩和および財政支出はコロナ禍が収まっていない状況では両氏の方針が大きく異なることないからです。

架け橋が崩れ落ちても、Waterには普遍的な静けさもある。そんなことを願っていますが、、、、どうなるんでしょう。

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