【連載】お金の使い方は人生そのもの ー10ー

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福本
       
ある意味、こどもにお金を使わせてみて、その後にしっかりと対話をするということのほうが大事なのかもしれませんね。 

 

高濱       そうですね、とにかく対話がキーワードだと思います。いろんな商品って良さそうに見えるじゃないですか。買ったあとこれ使わなかったねとネタにしちゃえばいいんですよ。例えばうちには乗馬の機械とかあるんです。「使わないと思うよ?」と言いましたが、「すごく体幹にいいんだよと言って買いました。もちろんちゃんと使える人は使ってるんでしょうけどうちでは一回ぐらいですよ使ったの。すんごい存在感のある置き物になっていますうちには要らなかった。パーッとその気になって買って失敗ということはよくあるじゃないですかそれは、もうこういう物は買ってはいけないという学びにしていけば良いということですね 

 

福本       親の失敗も話した方がいいですよね。こどもの失敗の話ばかりしていますけど。 

 

高濱       すごくいいですねこどもたちは聞きますよそういうのが大好きですよ。学生の頃これで大失敗してさ~」とかというと、キラーンと目を輝かせて聞きます。 

 

福本       お母さんどうしてまたそれ買ったのって。 

 

高濱       同じの持ってるじゃん!みたいな。 


福本       ・・・そうですね。 次が最後のテーマで、お金の使い方なんですけれども消費・貯蓄・投資・寄付の4つがありますよという風にご紹介してます。伊井さん、この問いはどういう風にお子さんとやっていくといいですか 

 

伊井       はい、これはこどもたちに例えば、「お年玉を全部で1万円もらいましたこの1万円をどういうふうに分けますか」「使う貯めるふやす寄付をするの4つにいくらずつ分ける?こどもたちと話をしますと貯めるが圧倒的に多いんですよね 

使うが少しあってふやす具体的には投資ということなんですけれどや、寄付するにはあんまり配分しないですね 

なんで貯めるのと聞くとこどもたちが将来不安だからみたいな事を言うんですよなんでなのかわからないんですけど使うは今欲しい物にすぐ使う貯めるは今の小遣いだけだと高くてすぐには買えないけど本当に欲しいものはゲーム機でも服でも何でも、貯めないといけない 

ふやすとはどういう事かを説明する時には、「1本のボールペンでも多くの人が関わってますよ。自分の大好きな会社を応援しようという話をするんですね。男の子たちはゲーム会社が圧倒的に多いんですけれども女の子たちはまた違うところ応援したいと言いますその会社の株式に投資をすることによってお金がふえていくことを話します。 

お金がなくて何か発明するってなかなかありませんので、誰かがそれ面白いね応援するから頑張って発明してみてと言って初めてできるという話もします 

寄付のところは、例えばこどもたちも東日本大震災とか大きな災害を見ると大変だということはわかるわけですね。「大変だよね何かお手伝いできないかなとみんな言うんですけれども、「じゃあ明日から学校一週間休んでみんなで行こうと言うと、「すみません、1週間は休めませんという話になるんですその時に、「じゃあボランティアの人たちに寄付をして代わりに行ってもらうという事ができるよね!」と言います 

犬や猫の殺処分の話でも、こどもたちは殺処分がダメだというのはみんな分かってるんですが、「じゃあ太郎くんの家は明日から犬を30匹飼ってね」というと、「すみませんうちはできません」と返ってきます。「殺処分を無くす為に活動しているこういう人たちがいるよ。そこに寄付すると無くなるよという話をするとこどもたちはガラッと変わっていきます 

そういった話をひと通りした後にもうもう一回4つの配分を聞くと、貯めるからふやすあるいは寄付をするといったところに変わっていきますその変化が大人よりも顕著に現れますから、今日ずっとお話しをしてきた価値を考えてみようあるいは社会にお金を循環しよう」ということを親子で対話するというのが大事だと思います 

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