こんにちは。
マーケティング部の坂口です。
2026年7月11日(土)、丸井グループ本社の共創LOUNGE(中野)にて開催された、「体験型イベントで学ぶ『インパクト投資』入門~社会課題を体感するイベントから、社会をよくする投資を考える~」に参加してきました。
このイベントは、コモンズ投信が運用し、tsumiki証券が販売する「まあるい未来共創ファンドcotocoto(コトコト)」の投資先である株式会社ミライロ(以下、ミライロ)から薄葉ゆきえ様を講師にお招きし、障害のある方や高齢者の視点を疑似体験するワークショップです。今回は1人の参加者として、他のお客さまと同じテーブルでワークに加わらせていただきました。
【目を閉じて、伝える。歩く。】
最初は「見えない」の疑似体験です。2人1組になり、目が見えない役と、その人に情報を伝える役に分かれます。
1つ目は、提示された写真や絵を、できるだけわかりやすく言葉だけで伝え、相手がどれくらい頭の中で正解のイメージを描けるかという体験。どの部分から、どんな特徴を、どんな順番で伝えるか。これが想像以上に難しく、「伝える」の解像度がいかに重要かを思い知らされました。
2つ目は、目が見えない方を道案内する体験。どう声をかけ、どう近づき、どう誘導するか。相手を怖がらせず、心理的な安心感を持ってもらいながら進む難しさと大切さを実感しました。そして何より、自分が目を閉じて歩く側になったとき、思っていた以上の怖さを感じました。数歩先すら分からない状態で人に委ねて歩くことが、こんなに心細いものだとは。頭でわかっていたつもりのことと、身体でわかることの間には、大きな距離があるのだと感じた瞬間でした。
【「たまご」と「たばこ」と「なまこ」】
次は「聞こえない」の疑似体験です。耳が聞こえない役の相手に、提示された文章を、口の動きと身振り手振りだけで伝えます。
ここで痛感したのが、口の形が似ている言葉の難しさです。「たまご」「たばこ」「なまこ」。頭では違う単語だと分かっていても、口の動きだけを頼りに読み取ろうとすると、途端に見分けがつかなくなる。自分が伝える側に回ったときも、「これで本当に伝わっているだろうか」という不安がずっと付きまといました。コミュニケーションが成り立つことのありがたさ、コミュニケーションによってバリアを越えることの難しさに気づかされました。
この後は、手話の体験もさせていただきました。予備知識のない状態で手話を見ても、正直なところ最初はよくわかりません。しかし、1つひとつの表現がなぜその動きになったのか、由来を丁寧に教えていただくと、不思議とイメージが結びついていく感覚がありました。
さらに、「高齢者のバリア」の疑似体験にも挑戦しました。重度の白内障と手先をうまく使えない状態を模擬し、レジで現金の会計をするという体験です。実際にやってみると、とにかく手元が見えにくく、お金をうまくつかむことができません。この体験を通じて感じたのは、単に「思いやりを持つ」というだけでは足りないということでした。目の前の一人に優しくすることも大切ですが、それ以上に、こうした方々にとって社会がどんな形であれば安心して過ごせるのか、どんな仕組みや変化があれば、誰もが自分らしく豊かに暮らせるのか。そこまで思いを巡らせることの大切さを、あらためて考えさせられました。
【「意識していなかった」という発見】
最後は、班に分かれてのワークショップ「カスタマージャーニー」です。目や耳に不自由のある方が商業施設を利用する際に、どんな場面でどんなバリアに直面するかを想定し、その解決策をワークシートに書き出していきます。
入口に到着し、中に入り、目的の場所へ向かい、用事を済ませる。私たちが普段、何も意識せずにこなしているこの一連の流れを、いざ「困りごと」の視点で見直そうとすると、驚くほど言葉が出てきませんでした。それは、見えにくさ・聞こえにくさのある方の困りごとを考える以前に、「お客さまの視点」や「施設とお客さまの接点」そのものを、日頃どれだけ意識せずに通り過ぎていたかという発見でした。誰もが自分と同じ感覚で、同じように何気なく通り過ぎているわけではない。そのことを、ほんの少しでも意識しておきたいと思いました。
【「バリア」を「バリュー」に変える視点】
ミライロが掲げる「バリアバリュー」という言葉があります。これまで「バリア(障壁)」と捉えられてきたことも、考え方や周囲の向き合い方次第で「バリュー(価値)」に変えられる、という理念です。
今回のワークショップを通じて私なりに感じたことは、不自由な方が快適になることだけがユニバーサルデザインではない、ということでした。ユニバーサルデザインとは、社会を生きるすべての人が、それぞれの強みや価値を発揮しながら豊かになれる世界をつくること。そう捉え直すと、この取り組みが目指す先が、ぐっと自分ごととして立ち上がってきました。
【インパクト投資に手触りを感じた】
「社会にポジティブな変化を生み出す」という言葉は、これまで概念として理解していたつもりでした。でも今回、目を閉じて歩き、口の動きだけで言葉を読み取ろうとし、自分の「無意識」に向き合ったことで、その言葉に初めて手触りを感じることができました。
自分たちが投資を通じて応援している企業が、こうして日常の「当たり前」を問い直し、誰かの生きやすさをつくっている。その現場に、1人の参加者として身を置けたことは、とても貴重な経験でした。そして、こうしたインパクト投資に自分自身が関わっていることを、あらためて誇りに感じています。
ミライロの皆さま、tsumiki証券の皆さま、そしてご一緒に参加してくださった皆さま、貴重な機会をありがとうございました。