激動の2020年を振り返る

おはようございます。渋澤健です。色々とあった2020年の最後の月曜日を迎えました。2008年にコモンズ投信を設立して、2009年にコモンズ30ファンドを設定してから間もない頃、私は2020年は日本の大きな時代の節目になると予見して、今年が訪れることを楽しみにしていました。2019年には令和という新しい時代が始まり、2020年には東京でオリンピックが開催され、日本に新しい時代への扉が開き始めていると1年前に思っていました。

新しい時代への扉が開いたことは間違いないですが、それが日本だけではなく、世界一同がニューノーマルに適応しなければならない。それも、そのきっかけが目に見えないウイルスになるということは、1年前には全く予測していませんでした。(ただ、2014年に出版した『渋沢栄一 愛と勇気と資本主義』に感染症対策の重要性に訴えていたと読者から最近指摘されたので、確認してみたら、確かに「もし渋沢栄一がいまいたならば・・・」という章に2020年から日本は新しい時代に入るという文脈の流れで少々言及していました!w)

さて、先日のクリスマスの夜、「テレビ東京BSの日経プラス10」で2020年を振り返るというコーナーに出演しました。人類史上最大級なコロナショックの最中、株式市場的にはV字型回復でプラスの一年を終えそうです。やはり、「ショック」とは常に買い場を提供するというのが投資の教訓でありましょう。市場が目先の値動きでパニックしているこそ、その投資対象の価値を見極めることが大事です。

ただ、周りがパニックしているときに、その価値を見極めは難しいことです。だからこそ、一般個人のみなさまにお勧めしたいのは「積立投資」です。定期(毎月)・定額で買うことに徹して継続していれば、ショック後には必ず買えています。V字型回復の市場環境は積立投資の勝ちパターンです。

また、激動の2020年を振り返ったときに、株式市場の動向として株式指数は目安に過ぎず、実態を正確に反映している訳ではないという事実が顕著に現れました。12月5日付の日経電子版(6日に日経ヴェリタスにも掲載)の記事『K字型回復が映すマネー集中「日経平均5」年初比58%上昇、「日経平均220」は5%安く』が分かりやすく解説してくれます。日経225の上位5銘柄と米SP500の上位5銘柄の今年のパフォーマンスが、ほぼ同じであるというとても興味深い分析が紹介されています。

つまり、全ての銘柄がV字型回復しているのであればインデックス・ファンドの方が(運用コストが安い分)有利であると言えますが、K字型回復の場合は、遥かに高い運用パフォーマンスの結果になった厳選投資のアクティブ・ファンドが存在しているということです。

ニューノーマルでは「全体」が勝ち組になるということはあまり期待できず、よいアクティブ・ファンドが超過リターンを還元できるK字型の傾向が当面続くのではないでしょうか。

足元は、コロナ禍の初期のショックを和らげる緊急財政支出の影響がはげ落ちている経済指標が目立っていますが、来春ぐらいまでの景気の鈍化について株式市場はある程度、織り込んでいる感じがします。追加財政支出を期待するからです。むしろ、3~4か月後に新型コロナ・ウイルスの波が(ワクチンや集団免疫など通じて)収まりはじめ、景気の自立回復を見せ始めたときこそ、(財政支出の期待がはげ落ちるので)株式市場には下値を確認するリスクが高まるかもしれません。

いずれにせよ、2021年が日本の新しい時代を様々な側面で確認できる1年になることを期待しています。

さて、本日(12月28日)、今年最後のセミナーに登壇します。対談相手は、「我々は微力であるかもしれないが、決して無力ではない」など数々の名言と揺るがない志の行動力で、よりよい世の中が訪れることを導いているテラ・ルネサンス創設者の鬼丸昌也さんです。2012年のコモンズ社会起業フォーラムに登壇いただいたことをきっかけにお知り合いになった朋友です。とてもよい話ができそうで、楽しみです!
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【オンライン】【12/28(月)】テラ・ルネッサンス応援セミナー Vol.4 
ポストコロナ時代に求められる[と]のちから
ー持続可能な社会への展望を、論語と算盤から考えるー
渋沢健×鬼丸昌也
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開催時間は21時~22時です。

また、同じ時間(21時から)テレビ東京BSでも出演しますが、こちらは収録です。明治11年(1878)の「向島の対決」が玄孫同士で再現?されると思いますので、こちらは録画して、お楽しみください!
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12/28 21:00~ テレビ東京BS
ニッポン創った明治の三賢人
~渋沢・岩崎・福沢にみる「革新力」

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本年は大変お世話になりました。
どうぞよい(そして、健康な!)新年をお迎えくださいませ!

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