この人はなぜ動いたのか。11名の社会起業家を知る Vol.2|コモンズ社会起業家フォーラム

◆認定NPO法人クリエイティブサポートレッツ 理事長 久保田 翠さん

できないことは、なくすべきでしょうか。
久保田翠さんが理事長を務める、認定NPO法人クリエイティブサポートレッツ。

その始まりには、重度の知的障がいのある息子・壮(たけし)さんの存在があります。

レッツが見つめてきたのは、人がもともと持つ「自分を表現する力」です。

上手か、下手か。
役に立つか、立たないか。
社会に評価されるか、されないか。

そんな物差しだけでは捉えきれない、一人ひとりの日々の行為や表れがあります。

レッツは、表現と言い切れるかどうかも分からない、日常のささやかな表れに目を向け、「表現未満、」という言葉で捉えてきました。

浜松市を拠点に、様々な個性を持つ人たちが出会い、交わる場をつくり続けています。

社会は、ともすると「できること」に価値を置きます。

でも、その物差しからこぼれ落ちるものにも、目を向けてみる。

そこには、これまで見えていなかったものがあるのかもしれません。

久保田さんのお話は、わたしたちが人を見る「物差し」を、少し揺さぶってくれそうです。

認定NPO法人クリエイティブサポートレッツ 理事長 久保田 翠さん

 

◆テクノツール株式会社 代表取締役 島田 真太郎さん

できない要因は、人でしょうか。それとも、環境でしょうか。

パソコンを操作する。
ゲームをする。

わたしたちには簡単にみえることでも、身体の状態や、使える道具・環境によって、大きな壁になることがあります。

テクノツールは、身体に障がいのある人がコンピューターやゲーム機などを操作するための機器やソフトウェアを開発・提供してきました。

一人ひとりの身体の状態に合わせて、入力方法や操作方法を工夫する。

それによって、それまで難しかったことに参加できる可能性がひらきます。

現在は、機器を届けることにとどまらず、障がいのある人の社会参加や、活躍の場を広げる取り組みにも力を入れています。

できなかったことが、できるようになる。

そのとき、「できない理由」を本人だけに求めるのではなく、道具や環境の側から見直してみる。

テクノロジーによって、閉じていた選択肢がひらくことがあります。

島田さんのお話から、「可能性」という言葉の意味が、少し違って見えてくるかもしれません。

◆テクノツール株式会社 代表取締役 島田 真太郎さん

 

◆特定非営利活動法人風テラス 理事長 徳田 玲亜さん

相談先があっても、相談できるとは限らない。

風テラスが向き合っているのは、性風俗産業で働く人たちです。

弁護士やソーシャルワーカーなどの専門職が連携し、生活、借金、家族、住まい、健康など、さまざまな相談に対応しています。

理事長の徳田玲亜さんは、弁護士です。

徳田さんは、2015年ごろから性風俗で働く人たちの相談支援に関わってきました。

支援を続けるなかで見えてきたのは、目の前の困りごとが、一つの理由だけで生まれているわけではないということでした。

経済的な問題。
家族との関係。
住まい。
健康。
仕事。

いくつもの困難が重なっていることもあります。

それでも、性風俗で働く人が抱える困難は、ときに「自己責任」という言葉で、本人だけの問題として捉えられてしまいます。

風テラスが目指しているのは、必要なときに、必要な支援につながれる社会です。

「相談窓口が「ある」こと。
「安心してそこへたどり着けること。」

同じようでいて、その二つの間には距離があります。

支援は、「ある」だけで届くものではありません。

徳田さんのお話から、その距離が見えてきそうです。

特定非営利活動法人風テラス 理事長 徳田 玲亜さん

 

◆認定NPO法人AYA 代表理事 中川 悠樹さん

映画を観に行く。
それは、本当に誰にとっても「普通」のことでしょうか。

認定NPO法人AYAは、病気や障がいのあるこどもたちとその家族に、「ワクワクする体験」を届けています。

インクルーシブ映画上映会。
スポーツ観戦。
音楽や文化に触れる時間。

AYAが届けているのは、治療ではありません。

けれど、病気や障がいがあることで、映画館へ行くことやスポーツを観に行くことなど、わたしたちが当たり前に思っているさまざまな体験に、アクセスしにくい現実があります。

代表理事の中川悠樹さんは、医師です。

医療の現場で多くのこどもや家族と向き合うなかで、

「この子に、いろいろな経験をさせてあげたい」

という家族の願いにも触れてきました。

AYAが届けたいのは、特別な一日だけではありません。

一つの体験が、

「やってみたい」
「また行ってみたい」

という次の一歩につながっていく。

病気や障がいがあっても、ワクワクする体験に出会える。

中川さんのお話から、「体験する機会」そのものの価値が見えてきそうです。

認定NPO法人AYA 代表理事 中川 悠樹さん

 

■「あたりまえ」を、少しだけ疑ってみる

障がいと表現。
身体とテクノロジー。
性風俗と相談支援。
病気や障がいのあるこどもたちの体験。

4名が活動する場所も、向き合うテーマも、それぞれ違います。

それでも、4名の活動を知るなかで、一つの視点が浮かんできます。

「それは本当に、その人だけの問題なのか」

できない。
参加しにくい。
相談につながりにくい。
体験する機会を持ちにくい。

その理由を、その人だけに求めない。

道具や環境。
制度。
社会の仕組み。
そして、わたしたち自身の「あたりまえ」。

社会の側に、変えられることはないだろうか。

4名の活動から、そんな問いが浮かびます。

ここでご紹介したのは、ほんの入口です。

4名は、何を見てきたのか。
なぜ、その課題に向き合い続けているのか。
その先に、どんな未来を描いているのか。

その続きは、ぜひ10月10日、本人の言葉から受け取ってください。

そして、心に残ったことや、もっと聞いてみたいことがあれば、ぜひ対話の時間へ。

あなたは、誰と、どんな未来をひらきますか?

10月10日(土)、会場でお待ちしています。

==========
第18回コモンズ社会起業家フォーラム
日時:2026年10月10日(土)13:00~16:50
※17:30までフリータイム
会場:文京学院大学 本郷キャンパス 仁愛ホール
参加費:無料
▼詳細・参加申込みはこちら
https://www.commons30.jp/forum18/

=========