2026年2月18日、公益財団法人Will for Japanが開設した「Will Base」のオープン記念イベントに伺いました。
昨年8月、三浦美樹さんが代表理事を務める一般社団法人日本継承寄付協会が、遺贈寄付の枠組みを超えたより広い「遺志(Will)」を形にするために同財団を設立。
その活動を発信する新拠点が東京都文京区に誕生しました。
三浦さんには、2023年の「第15回コモンズ社会起業家フォーラム」へのご登壇や、「第16回コモンズSEEDCap」の最終候補者として、わたしたちに素晴らしいビジョンを共有していただいています。
そんな三浦さんをはじめ、Will for Japanの皆さまが「Will Base」という新たな「意志の拠点」を構えられたことに、心からの「おめでとうございます」をお伝えしたいと思います。
イベントは開始から終了まで多くの参加者で溢れ、新しいスタートを祝う高揚感でいっぱいでした。
日本において、遺贈寄付はまだ「当たり前」の選択肢ではないかもしれません。
しかし、だからこそ「ここから文化を作っていく」という力強い信念が、会場の熱気を生み出していました。
今回、わたしが特に感銘を受けたのは、Will Baseそのものの成り立ちです。
Will Baseは単なるオフィスではありません。
「ひとり床オーナー」や「立ち上げオーナー」といった仕組みを通して、この場所の床や壁の一つひとつに誰かのWill(意志)が宿っているのです。
この場所の床の一片を自分が支えている、立ち上げの仲間として名を連ねている。
こうした小さな参画の積み重ねが、この場所を「誰かの持ち物」ではなく「わたしたちの拠点」へと昇華させているのだと感じました。
Will Baseに掲げられていた次のメッセージに、わたしは強く心を動かされました。
遺贈寄付をもっと語りやすく、出会いやすくするための活動拠点
まだ十分に見える化されていない日本で、文化として育てていくための『始まりの場所』
まだ当たり前でない今だからこそ、ここから文化は作れると信じています
わたしにとって「遺贈寄付」には、個人的な問題であり他人が関わってはならないイメージがありました。
しかし、Will Baseで耳にしたのは明るく開かれた対話でした。途切れることのない濃密な対話が遺贈寄付を身近な選択肢へと変えていく一歩になり、その積み重ねがやがて日本の「文化」になっていくのだと確信しました。
わたし自身も参加者の一人として、志を同じくする皆さんとの交流を楽しむことができました。
会場では嬉しい「再会」もありました。
これまでにご縁のあった方々と、「お久しぶりです!」と手を取り合いました。
同時に、多くの「新たな出会い」にも恵まれました。
遺贈寄付に関わる方々、そして社会課題の現場を支える方々。
この会場で起きていたのは単なる名刺交換ではありません。誰かの「Will」を誰かが受け取り、形にしたいという想い。そのための信頼のネットワークが目の前で刻一刻と編み上げられていく感覚。それは、孤独な決断になりがちな「遺贈」を、温かな「社会的な共感」へと繋ぎ直すプロセスそのものでした。
わたしたちが30年先を見据えて企業に資産を託す「長期投資」と、人生の最後に社会へ財産を遺す「遺贈寄付」。その根底にあるのは、全く同じ「未来を信じる力」です。
自分のお金や意志が、自分の手を離れた後も社会を良くする力として働き続ける。
この「循環」への確信こそが、より良い未来を創るチカラになります。
Will Baseという「始まりの場所」ができたことで、この循環はより力強く、見える形になっていくのだと強く実感しました。
イベントが終わる頃、わたしの手元には新しいご縁がたくさん残っていました。
「継承」とは過去を保存することではなく、未来を創るためのエネルギーを繋いでいくこと。
「ひとり床オーナー」や「立ち上げオーナー」たちの想いが詰まったこの場所から、新しい文化が紡がれていく。
今回出会った皆さまと共に、わたしもまた、コモンズという場所を通じて生まれる「意志あるお金の循環」について、今度はコモンズのお仲間のみならず、多くの皆さまと共に語り合える日を楽しみにしています。