二者択一では見えない美しさ

おはようございます。渋澤健です。

ディープ三重で朝を迎えています。本日、尾鷲商工会議所70周年記念講演でお話させていただく機会を頂戴し、前夜入りしました。

大河ドラマ「青天を衝け」によるブームの去年と比べると前々年のペースに戻っている感じがしますが、相変わらず渋沢栄一の思想の現代意義についてご関心を寄せていただける方々が多く、日本全国からお声がけをいただいています。

栄一は、「算盤」(経済)に「論語」(道徳)を表現することが重要である、つまり、倫理的資本主義という解釈は従来からありました。ただ、最近の時代の流れから、私は「論語」にも「算盤」を表現することも大事ではないかと考えています。栄一が示していたのは、論語「と」算盤ですから。

そういう意味で、二者択一でもなく、優劣関係がある訳でもなく、両立しているということがポイントだと思います。

また、論語・算盤の二者がバランスしているということでもないと私は考えます。「と」は、融合して新たな価値を生むことだと思いますので。

現在、世の中で、企業の財務的価値の情報開示に、(環境や社会などの)非財務的な情報開示も表現する試みの潮流があります。また同時に、「環境や社会に良いことしている」だけではなく、「そのインパクトをメジャーメント(測定)するという試み」の流れもあります。個人的なバイアスがあることは確かですが、栄一の「論語と算盤」は、現在でも生きていると思っています。

いや~、、、だけど、栄一が今いたら、かなり嘆くでしょう。本人が亡くなったのは1931年11月、満州事変の2か月後ですから、世の中の行方をかなり心配しながら息絶えたと思います。地球は美しいことがたくさんあるのに、なぜ人類はそれを汚すことを止めることができないのか。。。

栄一が今いたら、地球の美しさを尊ぶ声を上げ続けろ、と我々に強く奨励すると思います。

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