コロナ禍で可視化された投資先企業の       「見えない価値」

こんにちは、福本です。
コモンズ30ファンドは、”強い企業、進化を続ける企業“に投資するファンドです。

そして、企業の本当の実力や本質は、危機時に見えてくると考えています。
まさに今回のコロナ禍というのは、企業にとって大きな危機と言えるでしょう。こうした中、コモンズ投信の運用部は下記のような点を特に重要視してリサーチを重ねてきました。2020年10月25日に開催した「コロナ禍で可視化された企業の見えない価値」セミナーの内容の一部をご紹介させていただきます。

競争力は本物か、強い企業は、危機時に強さを増す

危機時に「経営力」が発揮できているか。意思決定のプロセスやスピードを確認する

危機時の「対話力」を確認する。顧客、社員、株主、社会への対話力は十分かその姿勢は

 

こうした観点から、今回は投資先企業の中から「ダイキン」「資生堂」のコロナ禍における取組をご紹介いたします。


ダイキン工業は1月以降、<コロナウィルス影響の急拡大を踏まえた施策>として、守りの施策43、攻めの施策31、そして体質強化・体質改革17テーマを掲げました。

加えて、重要経営課題への対応として緊急プロジェクトを立ち上げ、先ほどの91のテーマに加え、経営陣自らがけん引する6つの緊急プロジェクトをスタートしています。

会社資料より

その緊急プロジェクトの中で、3つ目には、「空気質・換気への意識の高まりにより、新たに生まれる需要を徹底的に刈り取るための、全世界横串での空気・換気商品の拡販、差別化新商品の開発・投入、ソリューションメニューの具体化・展開」を掲げています。足もとではすでにそれらに関連する製品について迅速に対応した結果、空気・換気関連商品の売上高は前年度比160%、住宅用空気清浄機は前年度比205%と大幅に伸長しています。空調トップメーカーとして、これらの空気・換気関連商品をスピーディーに開発し、グローバル展開することで一大事業に育てていく考えです。

こうした取組を踏まえ、コモンズ投信では、ダイキンの取組を以下のように評価させていただきました。

競争力・・難局に関わらず攻めの施策を講じることで、市場でのポジションを更に向上させる蓋然性が高い。

経営力・・十河社長の強いリーダーシップにより、全社を挙げて逆風に向かって果敢に前進している。

対話力・・通常であれば上方修正のタイミングは上期決算時(11月初旬)であるところ、投資家とのコミュニケーションを優先 し、前倒しでの公表としたことが評価できる。

 


次に資生堂です。

資生堂はコモンズ30ファンド投資先企業の中でも最も業績への影響が大きかった企業の一つと考えています。

そうした中で、会社は、決算説明の中で、「直面する経営課題」として率直に抱える課題を開示しています。多くの企業は業績が落ち込む中でその要因をコロナによるものと片付けてしまう企業も少なくありません。一方資生堂は、例えばこれまでの業績拡大がインバウンドに頼りすぎていた部分など、自社が抱える課題に向き合う姿勢を鮮明にしました。

また、直視すべき生産性への課題、として販管費比率や一人当たり営業利益などを競合他社と比較してその改善に取り組もうとしています。

コロナ前の水準に業績が回復するのは2023年と会社は見ていますが、それまでの戦略として、メイクアップよりもスキンケアへの注力やコスト構造改革、デジタル投資、などを挙げています。

会社資料より
会社資料より

コモンズ投信としては、課題の洗い出しを細かく行い、対策も細分化し、トップ自らがその改革を推進する経営力、そして、そうした情報をしっかり開示している対話力などの点を評価しています。

コモンズ投信投資委員会のメンバー
コモンズ投信投資委員会のメンバー
(左上から、シニア・アナリスト末山、アナリスト原嶋、シニア・アナリスト上野、下段左から取締役会長兼ESG最高責任者渋澤、代表取締役社長兼最高運用責任者伊井)

 

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