生産者の顔が見える野菜、オーガニックコットンのタオル、フェアトレードのチョコレートなどを購入することがなんとなくトレンドになっていた頃に、『私がなにをどのように選択し、購入するか。その行動がどのように世界に繋がっていくのか』を社会起業家フォーラムで聴くチャンスがあり、ワクワクしたことを今でも鮮明に覚えています。
そのスピーチをされた方は、2015年第7回に登壇された“エシカルファッション ジャパン”の竹村伊央さんです。
エシカルファッションという言葉は知っていたものの、「人や環境、動物に優しいファッション」という定義がよく分からず、遠い世界のものだと感じていましたが竹村さんのお話を聞いて、ぐっと身近に感じた瞬間でした。
単なる途上国の方の支援(購入)ではなく、様々の国や地域の伝統を受け継いだ手仕事を大切にしたり、作り手の顔が見えることで服に愛着を持てたり、穴があいたパラシュートが素敵なウインドブレーカーに蘇るという、誰かのいらなくなったもので他の方の生活が豊かになるというストーリーを買い手から聞けることが面白いと感じました。
実際、竹村さんのお話を聞いた後にエシカルジュエリーを購入しましたが、その際に海水の温度の上昇のため、インドネシアで漁業が難しくなった漁師さんが、生活費を稼ぐために貝を使ってジュエリーを作製しているストーリーをお伺いし、愛着のあるものになりました。また、ジュエリーを褒められる機会があると、ついその話しを友人に伝えて想いを共有しています。
この翌年、私の故郷熊本で大震災が起こりました。
支援活動を行っていた中で、地震で壊れた屋根の補修などで大量に使用されたブルーシートを利用してエコバッグを作製し、販売代金を復興支援に充当している団体さんを教えていただき、バッグを購入しましたが、こちらの支援活動に自然に共感できたのは、竹村さんのお話しを聞いていたことがきっかけの一つだったと思っています。
社会起業家フォーラムは、様々な活動をされている起業家さんを知り、応援することも楽しみの一つですが、自分が遭遇したことと登壇者さまが話していたことがある日繋がって、知らなかった世界が身近にやってきてくれる体験が何度かあり、興味深いです。
知っていると更に人生が豊かになるための一つが、社会起業家フォームの場でこれからもありますように。 また、たくさんの方がこのフォーラムを知ってくれますように。
萩原